shizuのタフな日々~私と仕事とシングル介護~

フットケア・心身メンテナンス「ハーモニー」主宰・マツサカのカミングアウト人生。 難病の進行性核上性麻痺を抱えるははを介護中。人生投げ出したいこともあったけど今はタフ。これからも淡々とワクワク生きていきたい備忘録。

2017年01月

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インフルエンザ騒動もどうにか終息を迎えつつある。
高熱自体はタミフル点滴で即下がったものの、
ウイルスダメージによるその後が高齢者の場合生死をわける。

母の場合は「一命をとりとめた」と医者に直接言われたのが一月六日。
それは本人の生命力。それと今までの食生活。
その後は、どこまで人間の尊厳を取り戻せるか。
これはどれだけ口から栄養を摂取できるかにかかっている
長い間、本当に一週間前までは「胃瘻はまぬがれましたが寝たきりは覚悟」と言われていたものが
今では端座位(ベッドの端に、ソファに座るように腰かけること)も出来るまでに。

やっと私に新年が来るのか・・・その日も近い。
今回も手探りの日々で様々な道をうろうろして来たんだけど
やはり二年前に心臓の大手術を「私の選択」によって決行したときの精神的ダメージがあったから
精神的には相当強くなったなと実感。
少し物事が上向きになった時の達成感さえ覚えるように。

こういう事態の最中にもトラブルはおきるし、医療や介護スタッフの不手際や
どんどんいろいろなことが出てくるんだけど
それ自体をヒラヒラかわすテクニックも身についてきたようだ。

自分自身の問題になるとからきしなのに
他の責任を持たないとならない時は、なんとか自己コントロールできるようになったようだ。
成長したもんだ。
この歳になって成長もへったくれもないけど。

何かが起こるたびに、小さなこと一つ一つ新たに身に付くことだってある。
オムツの換え方とか、効率のいいパットのあて方であるとか体位を変えるコツとか。
もうへたなヘルパーよりうまくできる自信もある。
何事も知らないよりは知っていたほうがいいし、病気や地域医療についての知識も得ることが出来た。
毎回こういうことが起こるたびに、実体験で世の中の仕組みを学習する。
臓器や疾患についての知識が増えるのは仕事にもプラスになるし。

そして、ダメージがあったときは普通であることの幸せをジンワリ感じることも出来る。
これを買って帰ったら喜んで食べるかね。とか。
そういう対象が居るのはありがたいことだ。
ショートステイをまた利用出来そうな今は、今迄通りの生活が戻ってくるのにワクワクする。
少しでも自分の時間が持てるので。

今までの生活も「介護だな~」と思っていたのに、こういう事があるとあの日に帰りたいとさえ思う。
人間なんて勝手なものだ。
暇よりバタバタしている方が時間を大切に使えるし、こういう時期もあっていいのかもね。
と、どうにか無事に過ぎたからこそ言える年末年始の大仕事。




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母はもともと布団生活。立ち座りに問題が無い元気な時は当然だけれど
高齢になり体が効きずらくなってからも、あえてそうしてきた。

床にしゃがんだり、床から立ち上がったりする負荷をあえて取り入れてきたという事だが
まあこういう事態になると、投薬したり食事したりの際に体を起こさせるのが大変。
自分で座位をキープできないからなおさらで。

なので、長年導入に渋っていた介護ベッドなるものを入れることに。
病院にあるあれよね、あれ。というイメージはあるのだが
それが部屋に入るとどうなるのかいまいちピンとこない。
それとベッドマット。
医療関係者、介護関係者、そして当然業者、は
「ぜったい床ずれ防止のエアマット!!」と選択はそれに限られるという勢い。
床ずれって一晩で出来るんですよ!と。
こちらはピンとこないし、いいものなんだろうなあ、という漠然とした思いでエアマットを選択させられたわけだ。
たぶん、介護ベッドを導入する大抵のお宅で「エアマット」なんだと思う。
それが当然とされているから。

さて
ベッド搬入当日。
その日含め数日はゆるゆると回復してきたのかな?と思われた母。布団の上で座位しててね、というと座ることも出来ていて「お母さん、よくここまで頑張りましたね」と言われるほど。
無事に搬入も終わり、ベッドにテーブルも取り付けて食事も普通にそこそこ機嫌よく終了。
今日は疲れたわ。そうでしょうそうでしょう。と早めに消灯した一時間後

目覚めた様子の母に声をかけると混乱している。ここはどこなのか、どうしたらいいのか。など非常に不安感を訴えられ、しばらく付きっきりでなだめすかし寝かしつけ朝を迎えたわけだが
翌日から、昨日までの様子が嘘のようにベッドに真っ直ぐ仰向けのまま眠り続ける・・・

布団の時は常にゴロゴロころがっていたし、布団をはいだり動き回っていたのに。
しかも翌日も真っ直ぐ寝たままの状態。
これは・・・・・・
いろいろな疾患を抱えているので、インフルによってダメージが出たとも考えられるけど
ベッド導入直後というタイミングが釈然としない。
何か、何か他に考えられるものは、と出した答えがエアマット。

最近の床ずれ防止マットはすごく高性能!電動のエアで寝返りをうたせてくれるものもある。
ウチが導入したのは、周りはウレタンで中心部がエアという「ハイブリッド型」というもの。
それでも自然にエアが入ったり抜けたりして、圧をコントロールしてくれるんだけど
柔らかい。ふわふわ。沈み込む感じ。
私はフワフワ寝具は苦手で、母も昨日まではウレタンマットにせんべい布団。
柔らかく沈み込むマットでは自力で身動きが取れないんだ。これでは本末転倒だ!

と、
翌日知り合いの手を借りて、エアマットの上にせんべい布団を敷くことに。
話によると、全てではないにしてもやはりエアマットにしてから寝たきりになってしまうという例も少なからずあるようだ。
エアマットが良くないと言っているのではない。床ずれも出来ないし寝返りをうたせる必要もないようだし。
介護や看護をする立場だと格段に、安全性、作業のしやすさなどでは軍配が上がるだろう。

家族も「介護をする立場」ではあるし、勿論手間のかかることははぶけたほうが良い。
ただ、ただ家族と言うのは楽に面倒をみられるという方向だけでものを見ていない。
少しでも「以前と同じく」ということを望んでいるのだと思う。
介護医療関係者は良かれと思って勧めてくれるのだけど、それが全部自分にとっての正解ということではないなと感じた。

エアマットの上にせんべい布団を敷いた翌日、丸々三日意識が無いほどにクチを開けて眠り込んでいた母は
以前のように横になって足を組んだり、ベッドの縁に座り食事をとることが出来た。
これが私の私見通り、エアマットによるものなのかどうかは定かではないけれど
でも、皆さんに知っていただきたい。エアマットはとても柔らかく沈み込む。自分で寝返りうちにくいほど。
自力で動ける方に必要なのかはしっかり検討いただきたい。
だって、病院やショートステイ先だってエアマットは使ってないんだよ?動ければ必要ないのかも。というのをちょこっと頭の隅においてください!
なるべく後悔しない方向で介護看病していきたいですもの。





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高齢者に限らずだけど、
物事というのは緩やかに変化していくのではなく、何かをきっかけにして
突然変化する。

今回の母の体調もそれだ。
こういう場合もっと精神的にダメージを受けるのかと思っていたけれど(私が)
実際たずさわると意外と腹が据わる。
自己防衛本能なのかも。
日々、というか数時間、数十分おきに症状が変化するので気を抜けないし楽観も出来ない。
でもあきらめているわけでもないという微妙な精神状態。

そんな中、いらして下さる医者や看護師はこれからを見据えた話をするわけで。
これは当然明るい話題ではなくて、
「これからはドンドンああなったりこうなったりです。その時こんな処置とかあんな処置をするか今のうちに考えておかないと」
というシビアな内容。
それを受け止めながら日々淡々と介護しながら過ごしていくと言うのは
まあ、腹を据えないと自分がまいってしまうわけで。
こんな自分はちょっと意外だった。
もっと「あの時ああしていれば!」とか「こうしなかったら!」とか、もっとあれこれ思い悩むかと。
今までしてきた経験のおかげなのか、静かに受け止めてるなあと。

今はともかく「食べて体力を出来るだけ回復期」なので
あの手この手で機嫌よく食べてくれそうな物を提供するんだけど
これがまた機嫌にも非常にムラがあって
絶望的に嫌な顔しながら「は~。疲れた~疲れた~」と一口ごとに言われると
体力に自信のある私でも、気力が続かなくなる。
わかるんだけど、疲れてるっていわれてもさ。。。
イライラ、キーーッと。
医者のいう「ああなったりこうなったり」というのがどちらに転ぶかは
こういう状況の場合食欲が大きく関係するので、こちらとしては
なだめすかしながら出来るだけ食べさせようと、それにとても労力を使う。

二日ほど前まではアイスとみかん(薄皮を剥いたもの)が主だったけれど
食欲を感じてもらうためには他の物も食べてもらわないといかんな。
ということで、白米を一口大のボール状にしてお口にポン!
やはり咀嚼をしないと食欲も出ないのではと。
これに佃煮をつけてみたりカレーを添えたり。
あとメイバランスという総合栄養飲料があるんだけど、これも製氷皿で凍らせてみたり。(そのままだと飲まない)
今まで水分とるのも面倒でいやがっていたけれど、
固形物を食べるようになってから水分摂取もすすむようになった気がする。

そんな状態に一喜一憂している日々。。。
かれこれ二週間だけど状態はまだ落ち着かないのでどのような介護体制にしていくかも決まらない。
落ち着かないー!
はーーー!これさえ決まれば私も自分の日々のプランが建てられるのに!もどかしいわ~





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遅くなりましたが

明けましておめでとうございます。
皆様穏やかな新年をお迎えですか?
お天気も良かったしいい新年でしたよね。

で、個人的な話になりますが(いつもだけど)
年末年始は本当にドタバタでございまして。
ここから先は私の覚書的な物でちょっと長くなりますが。。。

12月はどちら様も仕事は立て込むというもので、そんな大晦日も迫った26日
あるトラブルを抱えてしまいてんやわんやの中
母のショートステイから連絡。
熱が出たと。

やり取りの結果「今晩は様子を見ましょう」という流れに。
前日のトラブルもどうにか終息し、一仕事終えた夜19時頃また連絡が。
一度下がった熱がまた上がりました。先生の往診をお願いしたいのですが、と。
ウチは訪問診療を受けてはいるものの、そこの病院の訪問診療システムでは自宅以外には訪問できないことになっており
看護師やら医師やら介護スタッフやらとすったもんだやり取りした結果「救急搬送しかない」という結論に。

ショート先から病院に搬送したのですが結果は「インフルエンザ」
く~~~~~~!!!!
ワクチン接種しなかったからかあ!

と一度は思いましたが、こればかりは接種してもかからないとは限らない。
いろんな説があるけれど、高齢者の場合接種のタイミングを慎重にしないと、
体調すぐれない、あるいは風邪気味だったりすることで逆効果もあるとか・・・
まあ「今年は打たない」選択をしたのだし今さらですので。

どうやらショート先でインフルが流行り始めたらしく、これは運としか言いようがありません。
点滴タイプのタミフルを投与していただき、熱はその夜の内に落ち着きひと段落と思っていたのですが

どうやら高齢者と言うのは回復期が問題なようで
どんどん体調が思わしくなくなってくるのです。
帰宅当初は手引きでトイレにも行けたのに!

始めのうちは座位でおかゆなどクチに出来たのですが、座位が出来なくなり
何も口にできない状態にまで落ちてしまいました。
年末年始と言うこともあり、29日は看護師に訪問に来てもらったものの
どんどん思わしくない状態になっていく・・・

年明け1日には地域医療相談に電話。
解熱剤を服用するか咳止めも併用するかなど数回にわたりアドバイスをいただくも
唸り続ける母。
世間はお休み真っ最中。
母と二人の私の心細さ。
唸り続け、苦しそうに四肢を動かし続ける病人に何が出来るのだろうか・・・・
唸り続けるのですよ。そして苦しいのかたまに吠える・・・
いたたまれません。

分かり切っていることは脱水が怖いのだということ。
しかし体調を崩した高齢者は嚥下が怖い。嚥下から誤飲性肺炎にでもなったら体力が落ちているときは目も当てられない。
本人が飲みたくないのに無理に口に入れても吐き出すだけですし。

翌日二日
昨日の連絡により、朝、医療部から様子伺いの電話が。
よろしくないということで看護師が点滴に来てくれることに。助かった~~
とりあえずの水分補給は出来ると言う事。
しかし唸りと苦しそうな四肢の動きは相変わらずで

四日の朝に
これはまずかろう。と。看護師さんはありがたいけど医者の診断が必要かもしれないと
救急に連絡を入れたものの
「受け入れることは可能ですが、その後入院いただくかはわかりません」と。
まあ当然だ。
しかし行って返されたら非常にハイリスク。タダでさえ体力ないのにそんな賭けはできないなと
訪問医療部に「どなたでも構いません!往診お願いします!!!!!」とすがりつき
夕方往診にいらしていただくことに。
ふ~~~~。私が息が吸えないよ。
結局、その先生に
「まだ希望はあります」と、嬉しいんだか絶望的なんだかわからない言葉をいただき
「ということは多分ここ2、3日は付きっきりで頑張らないと山場よね」
と覚悟をし、徹底的に見守ることに。

取れるだけの少量の水分と
これは口にしてくれるアイスクリームを様子を見ては食べさせることに終始。
熱は下がったから問題ないんだけど
ともかく体がだるいらしい。
分かる気がする。我々なら高熱後体がこわばるようにだるくても
日常生活の中で体を動かしていけば改善していくもの。
しかし
思うように身動きのとれない高齢者はそうはいかない。
ならば
ここで特技(?)を生かさない手はないでしょう。
発病で固くこわばった身体を揉んだりさすったりしていくうちに、多少表情にゆとりが出てきたような。
熱も下がったしこれは続けないと。
と就寝前にも行うことで昨夜よりは寝つきも良くなった様子。

苦しいと目で訴えて腕をつかむという、いかにも辛そうな行動が多かったけれど
高齢者は自分の状態を伝えるのも苦手なので、察していかないとならない部分が多い。

水分摂取、ある程度のエネルギー摂取、マッサージ、オムツ変え
を繰り返し繰り返し、
想定通り二日後、往診の医者に「ひとやま超えましたね」と。。。。

こういうことって雪崩のように進行が速いからその場の決断力ってとても重要だよなあ
と、改めて思う。

今現在も、たいして食が戻ったわけでもないし状況的には大差ないけど
一番違うのは「寝息を立てて深く寝ている」ということ。
見えているのかどうかさえ定かでなかったのに、目に力が出てきたという事。
大騒ぎしたおかげで、ヘルパー事業所もとても協力的に対応してくれるようになったということ。
だから
仕事復帰が可能になった!それが一番ありがたいよ!!!
もーどうなるかと思った。手があと二本欲しいと。

そして改めて、ともかくヘルプ!と助けを求め協力者(ヘルパーや看護師たち)を増やすことが
何よりの助けになると、ありがたさと共に感じた松の内なのでした。





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