shizuのタフな日々~私と仕事とシングル介護~

フットケア・心身メンテナンス「ハーモニー」主宰・マツサカのカミングアウト人生。 難病の進行性核上性麻痺を抱えるははを介護中。人生投げ出したいこともあったけど今はタフ。これからも淡々とワクワク生きていきたい備忘録。

2016年05月

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退院しました。母。
入院と言うのは大抵は入ってみてもいつ退院できるかさだかでない。
病状に個人差があるから回復傾向になり安定して初めて退院がみえてくるわけだが
今回は早かった。
早かった?いや、三週間なので決して短い期間ではないけれど
前回の事があるのでそう感じる。
それに食事制限やら水分制限などがきつくなかったおかげで
母にとってもこちらにとってもストレスの少ない入院だった。
特に水分制限は母にとってはなによりもの締め付けで、
頭もボンヤリしているから理屈も理解できないし何回も同じ説明を繰り返すこちらとしても相当しんどいのだけれど
それが無かった分、気持ちは楽だった。
毎日リハビリをさせていただいたおかげで
「帰宅後はとうとう寝たきりか?!」と半分覚悟はしていたものの
それも回避できた。(いや、関係者は「本来はベッド生活」と当たり前のように言うけれど私が拒否しているだけ。寝たきりしか選択肢が無くなればいたしかたないが)

退院後の母との生活の話はちょっと置いといて
今回は介護関係やら病院関係やらの話を。(ちょっと長い)

まず、今度の入院は救急車で搬送後の緊急入院だったわけだが、連絡をいただいたショートステイから直接病院に向かわせていただいた。
当日、母の体調不良の連絡をいただき駆け付けた私が判断したんだけど
ショートスタッフの方々は「そこまでではないのでは」という見解だった。

でも連休前だしなにより今見てもらわないといけないのではないか。という肉親としての勘?
通常、体調が悪いと言う時との多少の違い。
気持が悪いと言うのは初めて聞く症状だし、その症状とこれら二つの症状が同時というのは何か変だ。とか
その程度のことだけれど
多分そういうことはとても重要だ。
んーと、たとえば一緒に暮らしているワンちゃんやネコチャンのことならお医者さんより違いが分かる、とかそういうのと近い。
そういう時は自分の勘を信じてあげた方がいいと思う。
スタッフの「そこまでではないのでは?」というのは勿論正論。常識的な判断だと思う。
でも時にはそれを曲げた判断力が必要な時もある。

突然の入院だったから
利用予定していたデイさービスであるとかヘルパーさんとかを当然キャンセルしないといけないのだけど
通常それはケアマネさんがやってくれる。
ただ、「手落ち」という場合もある。
今回もそれが相次いだ。

介護サービス制度というのは非常にありがたく、ほぼ10年前にはここまで手厚くはなかった。
ただそれゆえに細部にわたるまで事務的な部分をケアしてもらえるかというと
やはり行き届かないところもボロボロでてくる。
病院のソーシャルワーカーにしてもそう。
患者と医療現場との橋渡し的な役回りだけれど、何もかもやってくれるお仕事だと思ったらいけない。
結果的に事務仕事はしてくれるけれど、段取りよく日程を考えてくれるとかそこまで完璧な仕事を望んでもいけない。
自分で出来ることは自分でしよう。調べよう。

利用当初は連絡不行き届きであるとか洞察力のなさにイライラした私だけれど
日の浅い仕事であったり若気の至りというスタッフも中にはいる。
想定内のミスだなと思えば腹も立たないし、人に完璧をもとめすぎてもいけないのかも。

結局はありがたい制度だしサービスなのだからそれを徹底的に利用する為には
まず人をあまりあてにしすぎてはいけない。
役所だって「こんな制度がありますよ。利用しませんか?」なーんて親切なことは言ってくれない。
人に完璧を求めるより先に自分で動いてしまう。そのあと素人が契約出来ない部分を専門スタッフにお任せするというのがサクサクことを勧めるコツかもしれない。
仕組みや流れがどうなっているのかというのを知っておかないと余計イライラするもんですよ。

「自分を信じる。人に完璧をもとめない。あてにしない。」
前回の入院騒ぎから今回にかけて、改めて感じ入った事柄でした。振り回されないコツです。




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そういうわけで母はまだ入院中。
完全看護の病院ではあるもののやはり日参している。

いかんせん高齢者であるし、どうやら脳にも病をかかえているようだし(進行性核上性麻痺)
快適とはいえ一日中ベッドで寝ていられては
退院後の自宅生活に悪影響もあろうかと、日に1時間でも車椅子にのせてうろついたり話しかけたりしなければ
長い目で見て私が大変。

なんとも今回は連日の大病診断でほとほとまいった。
しかもGW前日。世の中の動きがにぶる直前だ。
そして我がハーモニーがバタバタとする連休に重なりクタクタに疲れてしまった。
改めて、ああ人手がもう一人あれば。とつくづく思わされた。

全く違う方向から今回の事実を見ると
少なからずのショックではあるけれど頭に難病があると知ることが出来たことで
釈然としなかった母の状態に対し落としどころが見つかったのはよかった。
日々ささいなことでイライラしていたけれど「なるほどこの病気であるなら」と腑に落ちたわけだ。

その診断後日常生活に戻っていないわけだから
退院後の毎日を穏やかに接するということは多分無理だろうけど
「病人」という意識で母に接するわけで今までよりはイライラ度もおさまるだろうか・・・

生活スタイルは以前以上に介護方向に傾くのだろう。
自分の人生に向き合うのがままならないというのが一番のストレスだけど
がっぷりと命に向き合わないときがすまないタチだ。
しかし人生が立ち行かない・・・とつらつら思っていた今日

いつもならすぐに車椅子でラウンジに向かうけれどめずらしくTVを見ていた母にしばらくつきあうことに。
初めから多少部屋の雰囲気が違うと感じていたけれどそのうちあわただしく・・同室の女性(多分母より年上か)が危ない状態になったのだ。
ずっとその方が苦しい処置をされていたのを知っていたし、苦しい訴えも日々聞いていた。
駆け付けたご家族に看護師が容体を伝え「お身内にお知らせください」と。
そしてベッドごと個室に移動して行った。

そう。ここは病院だ。今回は前回ほどの命の危機感がないことでうっかりしていた。
昨日、痛い、苦しいと訴えていたおばあちゃん。
生と死は薄紙一枚のへだたりだ。

母の人生でなく自分の人生を思った。
生きている自分。
今回の慌ただしさの中、ついタフな私を忘れていた。
グチるなら力いっぱいグチる!弱音になってはダメだ。
力いっぱいグチればすぐ立ち直れる。エネルギーがまた新たに湧いてくる。








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前回の続き。
というわけで「進行性核上性麻痺」診断を受けモンモンとしたままショートステイへ戻る。
(あ、いつも通院はショートステイから利用させていただいている。車椅子も使わせてもらえるしタクシーの乗り降りも比較的スムーズにいけるから)
スタッフの皆さんに診断の話をし、まあこれまで通りで様子を見ましょうねということに。

そして翌朝・・・
ショートの担当者から電話が。
ちょっと様子がおかしい、昨日胃痛があり、今朝は胃腸が痛いと。食欲もなく少しロレツも廻らない気がする。と。
このまま様子をみてやはりというようでしたらまた病院お願いします。
とのことで。

とりあえず見に行く必要があると判断し早速ショートへむかうと、
やはり微熱がありますが先ほどよりは落ち着いた様子であるというスタッフの見解。
確かにロレツもおかしい。。。本人は「落ち着いた」とはいうけれどこれはやはりどうにかして病院へ行かせないと。
ただ、昨日も通院したしこの状態では車椅子でも無理であろう。体力消耗するだけだ。
これは「救急車である」

が、思った通りショートのスタッフさんは「そこまでではないと思います・・・」と言葉を濁す。看護師さんも・・・
わかります。できるだけ大事にはしたくないというプロとしての意識。
しかしここは是非ともお願いしたい。と。明日からはGW。今何かがあるとその後の対応も難しくなってくる・・・
心臓手術をした病院に連絡します!(救急は断らない病院)と救急でお願いしたい旨を病院に伝え
ショートのスタッフさんたちを押し切り救急車でその指定病院に運ばれる。

ERに運ばれ「ご家族はこちらで」と30分ほど待たされ
ERのベッドサイドに通してもらう。血液検査やらCTやらを受けあとはその結果待ちだという。
何名もの医師や看護師が行き来し口々に「たぶん胃腸縁ですね、大事には至らないと思います」と
研修医が「●●と申します」と難しい顔して腹部触診をしてみたり、そんなこんなでまた一時間以上は経ったろうか。
喉が渇いた。。しかし離れることは出来ない。私一人だから。前回もそうだったなあ・・とか思いつつ。

そして今までと違い、数名を率いた医師が登場。
「実はお母さまに重篤な病気が見つかりました」
!!!!!!!
この時の気持ちをお察しいただけるだろうか。
昨日は難病指定を受け、翌日のことである。
しかも心臓の大手術を受けた病院。
またか!!!!!!
である。
「急性胆管炎」
医師いわく母の場合は「明日まで待って処置をするという段階ではありません。今すぐ手を打たないと」
!!!!!!
なんてこと。。。

それからまた、その「処置」をするための検査検査。
時間の見えない一日。。。「処置」とやらはいつになるんだ。
そしてまた
「同意書」
この病院でいったい何枚の同意書にサインをしたことか。

いくつもの検査を終えたあと
次の段階、集中治療室のベッドへ。
そこから処置室(手術室)だ。
いざ手術の段階になり、看護師が「お待ちになれますか?時間がよめませんが・・」
いやいやここまで待ったので当然待ちますよ、とはいわず。
「どの程度のものなんでしょうか?」
「早い方ですと30分ほどですが、長いと1,5時間ほどだと・・」
そりゃあ待ちますとも!先の見えない10時間手術を待った私だ。1時間半???あっという間だぜ。

結局
やはり一時間半かかり医師の説明を聞く。
カテーテルに造影剤を入れ状態を見ながら内視鏡で処置をするという手術。開腹ではないので負担も少なく早い手術だ。
無事に終わったらしいが、胆管のウミがすごくここまでになるには相当以前から腹痛もありませんでしたか?
いやありませんでした
後に調べたが、高齢者の場合通常のように黄疸が出るとか激しい腹痛も無く突然ショック症状で命を落とす方もいるらしい・・

そのウミを取り去りステントを入れて今は胆汁は問題なく十二指腸に運ばれているが、そのステントもはずし新たな処置をしないといけない。
原因もまだわからないし入院がどのくらいになるかも。
一時帰宅されたのち新たな処置をする方もいますがなんとも。。。と。
まずは一週間ということだけれど、多分この入院また数週間続くのだろうな・・・先の見えない入院がまた。
そしていづれ退院してもまた母の状態はもろもろ変わっているんだろうな。
と、ドロドロにグッタリな二日間。GW前日の出来事でありました。
つづく



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