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インフルエンザ騒動もどうにか終息を迎えつつある。
高熱自体はタミフル点滴で即下がったものの、
ウイルスダメージによるその後が高齢者の場合生死をわける。

母の場合は「一命をとりとめた」と医者に直接言われたのが一月六日。
それは本人の生命力。それと今までの食生活。
その後は、どこまで人間の尊厳を取り戻せるか。
これはどれだけ口から栄養を摂取できるかにかかっている
長い間、本当に一週間前までは「胃瘻はまぬがれましたが寝たきりは覚悟」と言われていたものが
今では端座位(ベッドの端に、ソファに座るように腰かけること)も出来るまでに。

やっと私に新年が来るのか・・・その日も近い。
今回も手探りの日々で様々な道をうろうろして来たんだけど
やはり二年前に心臓の大手術を「私の選択」によって決行したときの精神的ダメージがあったから
精神的には相当強くなったなと実感。
少し物事が上向きになった時の達成感さえ覚えるように。

こういう事態の最中にもトラブルはおきるし、医療や介護スタッフの不手際や
どんどんいろいろなことが出てくるんだけど
それ自体をヒラヒラかわすテクニックも身についてきたようだ。

自分自身の問題になるとからきしなのに
他の責任を持たないとならない時は、なんとか自己コントロールできるようになったようだ。
成長したもんだ。
この歳になって成長もへったくれもないけど。

何かが起こるたびに、小さなこと一つ一つ新たに身に付くことだってある。
オムツの換え方とか、効率のいいパットのあて方であるとか体位を変えるコツとか。
もうへたなヘルパーよりうまくできる自信もある。
何事も知らないよりは知っていたほうがいいし、病気や地域医療についての知識も得ることが出来た。
毎回こういうことが起こるたびに、実体験で世の中の仕組みを学習する。
臓器や疾患についての知識が増えるのは仕事にもプラスになるし。

そして、ダメージがあったときは普通であることの幸せをジンワリ感じることも出来る。
これを買って帰ったら喜んで食べるかね。とか。
そういう対象が居るのはありがたいことだ。
ショートステイをまた利用出来そうな今は、今迄通りの生活が戻ってくるのにワクワクする。
少しでも自分の時間が持てるので。

今までの生活も「介護だな~」と思っていたのに、こういう事があるとあの日に帰りたいとさえ思う。
人間なんて勝手なものだ。
暇よりバタバタしている方が時間を大切に使えるし、こういう時期もあっていいのかもね。
と、どうにか無事に過ぎたからこそ言える年末年始の大仕事。